スペインには各地に公立の音楽院がありますが、”スペイン王立音楽院 ” というのは現在ではマドリッド王立上級音楽院にあたります。10年ほど前まではマドリッドの音楽院と言うのは1つでしたが、今では初・中級(1~6年)の音楽院が6校ほどあり、上級(7~8年)が1校になっています。上級の試験を受けるには、日本(他)の音大ギター科 もしくはスペインの中級に相当する学校を終わらせていなければなりません。
{入試について}
上級入試はギターの実技のみですが、初・中級 に入る編入試験では実技の他、ソルフェージュ(聴音、リズム取り、新曲視唱)が重視され、楽典の試験が課されることがあります。
ソルフェージュや楽典ができないと、実技の試験は受けさせてもらえない場合もあるようです。 実技は時代の異なる作品を3曲、受ける学年のレベルに相当するものを用意しなければなりません。
試験は毎年6月頃申し込みをして、9月に実施されます。
{音楽院のシステム}
現在ギター科は8年制 <初級(3年)中級(3年)上級(2年)>から14年制 <初級(4年)中級(6年)上級(4年)> に移行しつつあります。2000年から2001年のコースでは8年制のうち中級6年生以上が残っていて、それ以下はすでに14年制になっています。1年か2年置きに8年制の学年が一つ消滅し、その分14年制に差し替えられているため2001年の9月には上級だけ8年制が残ります。
{上級音楽院の教授陣}
上級の教授は6人、それぞれが12人ずつ生徒を持つことになっています。
実際は15人持っている人もいれば9人しか持ってない人もいて、教授によってまちまちです。
ホルヘ・アリサ・・・・・・・・・・・・・・主任教授。日本では最も知られています。
ガブリエル・エスタレージャス・・・6人の中で最もコンサートや録音活動を多く行っています。
ホセ・ルイス・ロドリーゴ・・・・・・・"サン・ティアゴ・デ・コンポステラ"スペイン音楽講習会の教授。
コンサート活動も続けています。
デメトリオ・バジェステロス・・・・・・1年中講習会をしていて人気の高い教授です。
マヌエル・エステベス・・・・・・・・・・もとクワルテット・アンターレスのメンバー。
ミゲル・アンヘル・ヒメネス・・・・・・クワルテット・アンターレスのメンバー。
*クワルテット・アンターレスはクレンジャンスのCD「4つの要素」録音のためデュオ・ロス&ガルシア(ソル、アルベニスのCDで知られ、95年に来日)とエステベス&ヒメネスが合体したものです。それ以来盛んにコンサート活動を続けていましたが、昨年エステベスからペドロ・マルティンに交代。またデュオ・ロス&ガルシア解散のため、こちらも解散になるかメンバーが代わることになりそうです。